更新日:2021.10.26

「美容師は髪ではなく、その人自身のハートをデザインする…見えないものをカタチにする仕事」

あなたは、自分の担当スタイリストのことを、どのくらい知っていますか? スタイリストが普段話さないような、嬉しかったことや苦労したことなどを、日本全国のスタイリストにインタビューするコーナー。 あなたの大切な髪を任せる人だから、一生大切にできるパートナーを見つけてほしい。 「あなたのストーリーを教えて下さい。」

得意スタイル3選!

いろんなデザインを再現できるカット

整髪料(ジェル、ワックス、オイル)等によって変化できるようWバングはWサイドが入っているため、お手入れが簡単なスタイルとなっています。

まとめた時にも可愛い!ローライト&ハイライトでつくるインナーカラー

フロントが長いようで実はサイドにWサイド(短い髪)があることでより立体感や空気感を表しています。様々な髪型にできる現代は“良いカットの時代"だと思っています。

ヘアオイル仕上げのシンプルなボブ

丸みを作るためにレイヤーが入ったボブで外ハネにも便利なカット。ベリーショートの雰囲気とかわいいコケティッシュなマッシュな雰囲気が可愛いスタイルです。 お手入れは簡単でカラーを変えるだけでもまた別人な雰囲気にもなります。

パーソナルストーリーをインタビュー!

美容師になろうとしたきっかけは?

動機は不純だったかもしれないですが(笑) 実家が美容室で母親が美容師だったので、美容師という職業が身近な存在で、高校1年生の時に「通信教育を受けたら小遣いを上げてあげるよ」と言われたのがきっかけです。 最初からその職業の奥深くを分かる人なんていないと思うので、最初の動機は不純でもいいと思っています。最初から大義名分がある人は逆に嘘っぽく思っちゃいますね…。 なので、高校生のまだ右も左もわからない中で、これが世の中の為になると思って美容師になりたいと思ったわけではなかったです。 美容師をやっていくなかでその素晴らしさや魅力に気づいていきました。

美容師になって最も嬉しかったエピソードは?

鹿児島から出てきたときは、有名になりたいとかではなく「美容師になりたい」というぐらいの思いで上京しました。 その時々に目標があり、達成するたびに嬉しかった思い出があります。 雑誌に載ることから始まり、コンテストでタイトルを取ったり、ヘアデザイナーとして関わった映画が完成したり、パリコレのお仕事をいただけたりと嬉しいことや楽しいことは山のようにありました。 一方、サロンワークというお仕事は形があるようで形がないんです。 美容師は、その方の新しい自分自身を気づかせてあげる。そこがとても大切で、その方のハートやライフワークに寄り添いながら新鮮な提案をし、喜んでいただけていること…でしょうか。

美容師になって最も苦労したエピソードは?

ある時、大学教授をされているお客様から「シャンプーはいつも自分が使っているシャンプーがいい」と言われたことがありました。 シャンプーの成分知識がなく何も伝えることが出来なかったことや、お客様の要望の髪型に対して自分の意見を伝えることが出来なかったこともありました。 お客様の中には、 自分より様々な分野で秀いている人はたくさんいます。 幅広く、深く勉強しないといけないと強く感じた瞬間でした。 そして今では、作りこむことよりも「その人物の良さを引き出していく」ことが美容師の仕事だと思うようになりました。 「苦労や失敗は成長の糧」 どんどんステージがあがっていくと、100万円から300万円へと売上が上がり、コンテストで優勝してテレビに出るようになると1000万円まで上がります。 時間も減るため、今までと同じクオリティを出すのが難しくなり、そのステージに合ったスキルを身に着けるためにもこれまで以上に勉強をして自分を変えないといけないんです。 一流の条件とは、「一流の人と関わりをもって語れること」です。 美容師には小説家もいれば、ファッションデザイナーもいれば、画家もいれば、色々な人がいます。 多岐にわたり様々な勉強をしないといけないと今感じています。

尊敬・刺激を受けているスタイリストは?

「ヴィダルサスーン」 昔のデザイナーですが、ブラントで切るというカットの技法を世界に広めて現在の基盤を作ったというところはもちろん、デザインの延長で自身のシャンプーやトリートメントをあの時代に誕生させてというのは勇気が要ったであろうと思うし、本当に尊敬に値する存在ですね。

どんな部分に刺激を受けていますか?

2012年に「ヴィダルサスーン」が映画になり、 公開が発表される際に映画広告やパンフ等の印刷物に自分のコメントがPR文として掲載されたのが本当に光栄でしたし、貴重な体験で嬉しかったです。 その試写会でプールサイドでヨガのシーン 70歳の身体の柔らかさを見て驚きました。化け物だと思いました。 (その時から自分も身体を鍛える!?いたわるためにヨガを始めました…笑)

今後、挑戦してみたいことは?

5Gが進み携帯が優秀になり、美容師さんの勉強の仕方もSNSや動画で学ぶ時代が到来しています。 今「JAPAN HAIR COLLECTION」 の立ち上げをやっていて映像の大切さが身に染みています。入社1年目のスタッフも自分の携帯で先輩のシャンプーをメモり学習に使っている時代ですから、デザインを動画で表現する。は、これからのスキルアップにすごい繋がると思っています。 若い時に、CMの仕事をすごくやりたい時があって、パリコレの合間にパリ市立近代美術館やポンピドゥ・センターに行ったことがあって、なぜこの映像がパリの美術館にあるのか?意味を見出すのに時間がかかりましたが、映像の価値にハッと気づきました。 立体を線でとらえて見えないところ、その人のハートを形作るお仕事であるのが美容師です。それを伝えられる映像を勉強することは美容師にとってすごく大切なことだと思うと同時に、映像が持つ力は美容師を育ててくれます。 「映像の楽しさが美容師のデザインする仕事と通じる部分がある」と思っているので、今後良いと思えるコレクションをつくっていきたいと思っています。 あとはドローンを使った撮影ですかね。もう少し使いこなせるようになりたいです(笑)

プロフィール

Of HAIR プロフィール画像

サロン:Of HAIR

お名前:古里オサム

詳細ページ:https://hair.cm/stylist/osamu

HAIR編集部

HAIR編集部では、スタイリストが投稿する最新のヘアスナップを毎日チェックし、季節やトレンドに合わせヘアスナップと共にスタイリストを紹介しています。

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