美容室に行く前に知ろう!カラーリングの基礎知識を美容師が教えます
一口にカラーリングといってもたくさん種類があるのはご存知?それぞれに適した髪や特徴があって、希望の仕上がりにより選び分ける必要があるんです。メリットやデメリットを理解しないまま、美容室でオーダーしてしまうと思い通りにならなかった…なんてことも!そんな事態にならないよう、知って得するカラーリングの基礎知識をヘアスタイリストさんが解説します♪
知識をつけて自分に合ったカラーリングを選ぼう
カラーリングには色々な種類があります!
ヘアカラー、ブリーチ、ヘアマニキュア、カラーバターetc.
どれも名前は聞いたことがあるけど、違いや意味はイマイチ分からない…という方も多いハズ。
「どんな人におすすめ?モチは良い?ダメージはある?」など、現役美容師さんにそれぞれの特徴を詳しく聞いてみました!
今回お話を伺ったスタイリスト、津田圭介さん
お名前:津田圭介さん
スタイリスト歴:3年(美容師歴7年)
得意な技術・スタイル:カット&カラー、ミディアム〜セミロングの大人かわいいヘア
自己紹介:ワンカールでまとまるツヤ髪カットや、雰囲気を柔らかくするカラー、白髪にお悩みの方へのデザインカラーなど、しっかりとお客様のライフスタイルに寄り添ったスタイルに仕上げます。ナチュラルな大人かわいいヘアならお任せください!
カラーリングの種類とそれぞれの意味・特徴を解説
ヘアカラー
「カラーリングのなかで最も一般的なのがヘアカラーと呼ばれる染色方法。
染料が毛髪内部で化学反応を起こすことにより髪が染まります。
日本人の髪は赤のメラニン色素が多いと言われているのですが、その赤の色素にアプローチして明るさを変えていくイメージです。
一度ヘアカラーをした部分は、地毛の色には勝手には戻りません。
ヘアカラーで明るさは変えられるのですが、透明感を出したいという場合はブリーチが必要になってきます」
ブリーチ
「メラニン色素を分解し、黄や白に近づけてくれるのがブリーチ。
絵の具って白いものの上に塗ると綺麗に発色しますよね。
それと同じ仕組みで、髪をブリーチで白に近い状態にしてからカラーをのせてあげると鮮やかに発色します。
特に薄いペールトーンのカラーなどはブリーチベースでないと上手くいきません」
ヘアマニキュア
「ヘアマニキュアとは髪の表面をカラーコーティングしてくれるもの。
ヘアカラーやブリーチと違って髪内部の細胞は壊さないため、ダメージはほぼありません」
「ヘアマニキュアは根本1〜2mmは避けて塗布するので、頭皮を刺激しないのもポイント。
髪が細くなった、白髪が増えたなどエイジングのお悩みがあり、頭皮を守りたいという方にも向いています。
シャンプーなどで日々ヘアマニキュアは落ちていくのですが、色が表面上に残りやすいというデメリットもあります。
例えばブリーチ毛に濃いネイビーのヘアマニキュアをのせると、青っぽさが長く残ってしまう可能性が」
カラーバター
「カラーバターの染色方法も髪表面をコーティングするようなものになりますが、色の定着度はヘアマニキュアの半分くらいになります。
ヘアカラーのように化学反応を利用して髪自体を染めるものではありません」
「カラーバターにはトリートメント成分が含まれているものが多く、ダメージもほぼありません。
ただ木をペンキで塗装すると硬くなってしまうように、コーティングをすることで手触りがゴワついてしまう可能性も」
カラーシャンプー、カラートリートメント
「最近ハイトーンの需要が増えてきたため、よく用いられるのがカラーシャンプーやカラートリートメント。
ブリーチ後にカラー剤で色を入れるよりダメージが抑えられるうえ、絶妙な薄い色合いが表現できるんです」
「ブリーチしたばかりのブロンド系ヘアというのは、カラー剤を重ねている間にどんどん浸透して色が出すぎたりムラになってしまう場合も。
カラー剤の工程をカラーシャンプーやカラートリートメントに差し替えることで、そういったことも防げますし、時間短縮になってダメージ軽減にも繋がります」
カラーリングによるダメージ度合いはどう変わる?
ブリーチ>ヘアカラー>ヘアマニキュア・カラーバター
「やはりダメージが大きいのはブリーチ。その次にヘアカラーとなります。
ブリーチやヘアカラーは髪内部の色素に働きかけるので、栄養が抜け出た骨のようにスカスカになってしまうんです。
そのため乾燥、紫外線などの外的要因によって、さらに脆弱化することも。
また基本的に施術にはアルカリ性の染料を使用しているため髪を溶かしてしまい、切れ毛や折れ毛の原因にもなってしまいます。
ヘアマニキュアやカラーバターに関しては、ダメージというよりゴワつきが気になってしまうかもしれませんね」
染めたあと色落ちしやすい度合いは?
ブリーチ>ヘアカラー>カラーバター>ヘアマニキュア
「これも1番はブリーチ、次にヘアカラーではないでしょうか。
ヘアマニキュアとカラーバターは色の定着力は比較的強いですね。
ただどちらも原色に染めるのにはもってこいなのですが、単品使いでミルクティーのような薄いカラーに仕上げるのは難しいんです。
カラーバターであれば、ブリーチベースに重ねることで薄い色も表現できます」
セルフと美容院、カラーリングの仕上がりはどう違う?
ダメージやムラを抑えられるのはプロの技!
「自宅でのセルフカラーと美容院で染めるのでは、かなり差が生じるかと思います。
まず使用している染料の質や成分が違うので、ダメージ具合に大きな違いが出ますね。
市販のカラー剤ってアルカリのパーセンテージが高く、どんな髪質でも染まりやすいようになっているんです。
一方、美容院ではスタイリストがお客様の髪質や髪の状態を見てカラー剤を調整し、負担もできるだけ少なくなるよう工夫しています。
あとは自分で染めるとやはりムラもできやすいですよね」
カラー初心者でもトライしやすい髪色が知りたい!
マット系カラーなら成功しやすい♪
「初めてカラーをする方には、マット系のカラーがオススメ。
マット系とはグリーンを入れてくすませた色味を指し、美容師側も失敗しにくい髪色なんです。
よくお客様からオーダーをもらう“赤みをなくしたい、外国人風にしたい、透明感がほしい”というポイントを押さえられるヘアカラーでもあります」
初めてでも明るくしたいならWケアカラーを
「ブリーチをせずに黒髪のバージン毛を明るくしたい場合、①期間を空けて何度かカラーリングし髪色を育てていく、②ライトナーを使う 2パターンがあります。
②のライトナーを使う施術は、Wケアカラーというメニューで私もお客様に提案させていただいています。
通常のヘアカラーより透明感や柔らかさが出るのですが、ブリーチよりダメージが少なく済むんです」
美容師が伝授!カラーリングを長持ちさせるコツとは?
髪色をキープしたいならシャンプーに気をつけて
「最も重要なのはシャンプーじゃないでしょうか。
シャンプーの洗浄力が強いと、せっかくカラーをしてもキューティクルの間から流れ出ていってしまうんです。
私のお客様のなかでも市販のシャンプーを使っている方とサロンシャンプーを使っている方とでは、カラーしに来店されるスパンが違ったりしますよ」
「美容室で売られているシャンプーを買ってほしいわけではなく、市販のものでもパッケージの裏に記載されている成分表をしっかりチェックしてほしいですね。
特に気をつけてほしいのが“硫酸”や“ラウレル硫酸”。
泡立てに必要なものなんですが、洗浄力がかなり強いんです。
最近ではドラッグストアにも成分にこだわったシャンプーが売られているので、ぜひチェックしてみてください」
市販品でも成功しやすいカラーリング剤はある?
紫シャンプーなら日常に取り入れやすい!
「どのカラーリングも美容師さんにお任せした方がベターなのですが…、強いて言えばカラーシャンプーですね。
私のオススメはクオルシアの紫シャンプー。ブリーチヘアから黄ばみをとってくれるので、白っぽい色味にしたい人に良いかと思います。
ただ単品で使って時間を置くと、紫の色味が強く入ってしまう可能性があるので注意を。
普通のシャンプーと2:1くらいの割合で混ぜて使うと染まりすぎを防いでくれますよ」
2021年おすすめの最新トレンドヘアカラー3選
①オリーブグレージュ
「これから春夏にかけて人気が出そうなのがオリーブ系のカラー。
そこにグレーをプラスして赤みのない、透明感たっぷりのヘアに。
柔らかい雰囲気をまとうことができますよ」
②イヤリングカラー
「一大トレンドとなっているインナーカラーのなかでも、特にイヤリングカラーがアツいですね。
もみあげ部分の髪だけを染めることで、さりげないお洒落アクセントになります」
「リモートワークが増えてきたためか、髪を明るくする方が増加傾向にあります。
ただ明るくしすぎてしまうと、戻すのが大変ですしダメージも気になりますよね。
そんな時に取り入れやすいのがイヤリングカラーなんです」
③バレイヤージュ
「外国人風のムードが手に入るバレイヤージュ。
毛先に向かって明るくなるグラデーションにすることで、根本が気になりにくくなります。
またブリーチ部分のカラーは紫シャンプーやカラートリートメントでケアできるので、なかなか美容室に行けない時に◎!」
今年取り入れたいヘアカラーをHAIRでもっと見る
マットグレージュ
グレージュにグリーンをミックスして赤みをしっかりオフ。
光が当たったときの透け具合がたまりません!
オリーブアッシュ
常に人気の高いオリーブ系のアッシュカラー。
ツヤッとした質感もしっかり出ます。
ブリーチありのオリーブアッシュ
グリーン系のカラーを少ししっかりめにいれたスタイル。
ブリーチをしてからオリーブアッシュを入れることで、さらに透明感や柔らかさがUP!
暗めベージュのイヤリングカラー
暗めのベージュをイヤリングカラーとしてON。
さりげなくお洒落を楽しみたい方にぴったりです。
ハイトーンベージュのインナーカラー
ブリーチをしてからクリーミーなベージュをのせたイヤリングカラー。
定番のストレートボブでもこんなに印象が今っぽく様変わり!
ブルーのイヤリングカラー
変化球カラーに挑戦したいならブルーも◎!
一部だけなら鮮やかな色味も挑戦しやすい♪
大人バレイヤージュ
あまりベースとコントラストをつけない大人のバレイヤージュ。
ワンカラーよりも立体感が圧倒的に出ます。
外国人風バレイヤージュ
中間から毛先に向かって筋を入れた、外国人風のバレイヤージュ。
美しいグラデーションで後ろ姿のこなれ度も上昇!
スタイリスト津田圭介さんのプロフィール
所属美容院:marina hair(神奈川県川崎市中原区上丸子山王町2-1051-8)
肩書:スタイリスト
経歴:足利デザインビューティー専門学校を卒業後、神奈川・東京を中心とした有名サロンに入社。 4年目でスタイリストデビューし、1年で売り上げ100万を達成、トップスタイリストに昇格。作品応募数300を超える自社ヘアースタイルコンテストでは、ファイナリストの4作品に選ばれる。2020年10月より現在所属している marina hairへ移り、主にマンツーマンで接客を行っている。
Instagram:@keisuke_hair0711、@keisuke_highlight_bleachcolor
YouTube:『keitea channel』
取材・ライティング
ライター:片岡愛
経歴:女性誌からキャリアをスタートさせ、現在は雑誌からWEBにいたるまでさまざまなジャンルの編集・ライティングを担当。 自己紹介:コンサバからギャル、韓国系までジャンル限らずトレンドを日々収集中。気になったことはひたすら調べ上げる好奇心高めのミーハー気質。
HAIR編集部では、スタイリストが投稿する最新のヘアスナップを毎日チェックし、季節やトレンドに合わせヘアスナップと共にスタイリストを紹介しています。
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